算数や数学には問題を解くための方法論があるように、教育や保育にも目標を達成するための方法論があると考えられています。とはいえ、「どうすればいいのか」を教えてくれる方法論は便利なものですが、固定されたマニュアルに縛られてしまうと、「いまここ」の状況が見え難くなってしまいます。方法論を活用しながらも方法論に囚われることなく、例えば教室で起こる不意の出来事や、子どもからの予想外の問いかけに向きあうことができる、機知や機才と呼ばれる即興の資質は、どのような学びを通して育まれるのでしょうか。西洋の教育思想や子どもの遊びにヒントを得ながら、学ぶこと/教えること双方における「即興性」と「遊び心」をめぐって探求していきます。